「北海道のウニを、
もっと多くの人に届けたい」
変化する時代と向き合う、水産加工の現場から

代表取締役
岸 大喜
代表取締役 岸 大喜(以下:岸)
インタビュアー(以下:イ)
インタビュアー(以下:イ)
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今も昔も変わらずウニは高級食材で大人気ですが、特に今は世界中で人気だと伺いました。
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はい。ウニは海外での需要も高まっていて、以前は地元でも気軽に食べられていたものが、今ではずいぶん高価なものになってしまいました。輸出が伸びるのはよろこばしいことですが、地元の方の手が届きにくくなることは、やはり寂しいです。
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世界中でウニを食べる文化が広がる中で、日本のウニは特別だと評価されているとも聞きました。
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そうですね。
日本のウニ、特に北海道産は品質や味わいで世界的にも高く評価されています。ただ、それを守り続けていくには、価格競争や安定供給という面で、常に判断を求められます。
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そのなかで、小川商店として大切にしている考え方は?
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「求められていることは何か?」
「まだ知らない美味しいものは提案できないか?」
「生産地と消費地の架け橋として、素材の味、本物の味を壊さずに伝えたい」
自然環境の変化にどう対応するか。大切なものを守りながらも、恐れず挑戦し続けることが重要だと考えています。
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具体的には、どのような取り組みを?
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たとえば、一貫した鮮度保持や、国際基準の衛生管理体制。当社ではHACCPを取得しています生産地との情報交換や現場の声を直接拾うこと。そして新たな仕入先や取引先の開拓にも力を入れています。
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課題が多そうですね。
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資材費や輸送費の高騰、数量不足による運賃の割高…。 梱包の簡素化も検討していますが、それが現場の人員にどう影響するかも踏まえて改善したいと思っています。改善せずに悩むのではなく、改善しながらさらに改善して、結果3方よしみたいな感じが理想です。
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未来に向けて、どんな会社でありたいとお考えですか?
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創業から続く、「本物の味を守り届けること」の心を踏まえ、北海道で育った食文化を、次の世代に、そして世界中の人たちに伝えていけるような会社でありたいです。テクノロジーの進化も、目覚ましいですが、自然が豊か、そして、人の手あって成り立つ商売です。成長だけを、大切にするような取り組みではなく、長く続けていくために今を受け止め、未来の決断ができるように、柔軟に進んでいけるような体制を作りたいです。実際のところ、生鮮の水産加工販売の仕事は、産地の天気や、消費地の需要状況を常に把握し、仕入れる。そして仕事を作る。工場をフル回転させて、商品を切らさない。いかに競合に負けないか。そんなリアルな実情もたくさんあり、目の前のマーケットで勝ち抜いていかなければならないんですけどね。